「A媒体は応募単価が安い」という理由で媒体を選ぶと、たいてい失敗します。見るべきは応募単価ではなく 採用単価(入社1人あたりのコスト) です。
計算式
採用単価 = 期間中の採用関連コスト合計 ÷ 期間中の入社人数
コスト合計に入れるもの:
- 媒体掲載費・運用費
- 紹介手数料
- 採用担当者の人件費(工数 × 時間単価)
- 面接・見学にかかる現場側の工数
多くの会社が3番目と4番目を計上していません。ここを入れると、「安い媒体」の順位はしばしば入れ替わります。
具体例で比べる(試算)
次は考え方を示すための試算例です。実在の媒体の実績値ではありません。
| 項目 | A媒体(運用型) | B媒体(現場特化型) |
|---|---|---|
| 月額コスト | 60,000円 | 100,000円 |
| 応募数 | 10件 | 7件 |
| 応募単価 | 6,000円 | 14,286円 |
| 面接設定率 | 30% | 71% |
| 面接数 | 3件 | 5件 |
| 入社 | 1名 | 2名 |
| 採用単価 | 60,000円 | 50,000円 |
応募単価では2倍以上の差がついているのに、採用単価は逆転しています。面接に来ない応募が多い媒体は、担当者の工数も食います。
歩留まりを3点だけ記録する
複雑な管理表は続きません。次の3つだけ、媒体別に月次で記録してください。
- 応募数
- 面接実施数
- 入社数
この3点があれば、面接設定率と入社率が出ます。どこで落ちているかが分かれば、直す場所が決まります。
| 落ちている箇所 | 直す対象 |
|---|---|
| 応募が来ない | 求人票の内容・掲載媒体 |
| 応募は来るが面接に来ない | 応募後の連絡速度・連絡手段 |
| 面接は来るが入社しない | 条件提示の内容・面接での説明 |
| 入社するがすぐ辞める | 求人票と実態のズレ |
予算配分の考え方
年間の採用予算は「去年と同じ」ではなく、必要人数 × 採用単価で組み直してください。
- 期首の在籍人数を出す
- 想定離職率を掛けて、期中の欠員数を出す
- 増員計画を足して、必要採用人数を出す
- 直近実績の採用単価を掛ける
3業種の採用単価の実数は、市場データのレポートにまとめています。自社の数字と突き合わせる材料としてお使いください。